The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

気温が低いとテニスボールが弾まないのは何故?

気温が低くなるとテニスボールが弾まなくなります。弾まなくて手前に落ちるので、そのつもりで構えてスイングしないと体勢を崩されるし、スイートスポットを外してしまいます。

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どのくらいの違いがあるのだろうと思って調べてみました。

一般にテニスボールの規格は、気温20℃、湿度60%、1気圧において、254㎝(100inch)の高さから強固な平面に落下させたとのバウンドの高さが134.62〜147.32cm(53~58inch)とされていますが、一般的なボールのデータを計測した例では、気温20℃で144cm弾んだものが、0℃の場合は105cmとなり、73%程度になるようです。

Youtubeでは実際に実験した例もいくつか見つかります。

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上の実験では、-5℃で冷やしたボールは室温21℃のボールの半分程度しかバウンドしないという結果を示しています。

下の実験では、冷凍庫で冷やしたり、オーブンで加熱して比較していますが、冷やされたボールは明らかにバウンドしなくなっているのが分かります。

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氷点下でプレイすることはなさそうですが、5℃程度でプレイすることは冬場ではあり、そういう時にはボールが弾まないのを実感します。

では、何故そうなるのでしょう?

ゴムの弾力性の低下が原因としている記事がいくつかありますが、それでは理由として不十分でしょう。一方、内圧の変化が原因としている記事もあります。p=nRT/Vという気体の状態方程式を思い出すと確かにそうでしょうが、それだけでもなさそうです。

princeのサイトに以下のような納得できる説明がありました。
(ここから引用)

一般的なテニスボールは「プレッシャーライズドボール」といって、「ゴムボールの弾力」と「ボール内の圧縮ガス」の両方によって飛ぶシステムになっています。つまり、ゴムの塊であるスーパーボールの弾力と、サッカーボールのような圧縮内圧による弾力の両方によって飛ぶのがテニスボールなのです。

温度が低くなると、まずゴム自体が硬くなって弾力性が落ちます。「冬は打球感が硬く感じる」というのは、実際にボール自体が硬くなるわけですから、もっともなことです。

そして気温が下がると「ボール内圧が低下」します。これは「空気が抜けたような感覚」と同じです。実際にボール内に入っているのは窒素ガスですが、新品のボールでも、低気温では「飛ばないなぁ」と感じるものです。

このダブルパンチが「飛ばないボール」の主原因

(ここまで引用)

まさにその通りだと思います。ゴムの弾力性の低下とボール内圧の低下の相乗効果によるものと考えるのが妥当な気がします。