最近藤井二冠の活躍もあって「観る将」が増えているといわれます。自分で指すことはしないけど、観戦するのを楽しむ「観る将棋ファン」のことです。私自身、これまで自分で指すという趣味は持っていませんでしたが、最近はABEMAの無料配信でタイトル戦を朝の対局前から深夜の終局迄リアルタイム見ることができるので、それを楽しみにする「観る将」になり、それとともに、棋士たちの活動にも興味を持つようになりました。
そんな棋士たちの世界では最近は将棋ソフトを使った研究が積極的に行われていると聞きます。
藤井二冠は昨年の「第3回AbemaTVトーナメント」の賞金333万円の使い道を聞かれて、「パソコンを組むつもりなので、パーツを集めたいと思います」と言っていたと思ったら、CPUだけで50万のマシンを作ったということでした。
また最近では、渡辺名人がさらにそれの上を行くマシンを手に入れたというニュースも聞こえてきました。
そしてそんな高速マシンの上で走らせるソフトとしては、CPUを使う従来型のNNUE(Efficiently updatable neural network)系とGPUを使う新興のDL(Deep Learning)系が並び立っていて、現時点ではそれらの性能が互角で拮抗しているといいます。
blog.computer-shogi.org
そして、今年の7月に行われた第2回電竜戦TSECでは、NNUE系の「水匠」が総合優勝を果たしたということです。
藤井二冠、渡辺名人ともにこの「水匠」を使っているらしいのですが、なんとそれが作者の杉村達也氏のサイトで公開されていてフリーで利用できるのです。非常に高度でありながら健全でオープンなコミュニティーがあるのには驚きました。それを知ると俄然興味が湧いてきて早速試させてもらうことにしました。
そのインストール方法についてはいくつかのサイトで説明されていますが、私は下記の記事を参照しました。
最近この世界で公開されている将棋ソフトは、GUIの部分と評価・探索の思考の部分が分離されていて、GUIの部分としては、「将棋所(shogidokoro)」というソフトウェアが標準的に使われるようです。その将棋所の上で、思考のエンジンとして「水匠(Suisho4)」を登録し、対局設定で先手:自分、後手:水匠、というように設定すると水匠との対戦が可能になります。思考のエンジンとして別のソフトも登録すると、ソフトウェア同士の対戦というのも実行させられるのです。なるほど面白い世界になっています。
下の画像は、私と水匠が対戦した様子です。将棋を指すのは小学生の時以来の私ですが、水匠が示す読み筋を参考に指すとそれなりの戦いになります。
第6世代Core i7(4コア、8スレッド)のマシンなので1億局面を読むのに30秒程度かかりますが、それでも雰囲気を楽しめます。
これを機会に、観る将をより楽しむために、少し基本的な”囲い”くらいは勉強してみようかという気になりました。