The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

箱根登山電車

神奈川の西部に住んでいて箱根は近いので、行くときは車を利用することが多く、これまで箱根登山電車の全線に乗ったことはありませんでした。

紅葉の盛りを迎えたようだし、コロナもすこし落ち着いて見えるので、ちょっと思いたって、昨日箱根登山電車で強羅まで出かけてみました。

箱根登山電車は小田原ー強羅を結んでいて、そのうち小田原ー箱根湯本間は小田急の車両で運行されています。その小田原駅小田急のホームとつながっていて、その標高は14mです。

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小田原駅

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箱根登山電車の小田原駅 海抜14m

箱根湯本まで小田急の電車に乗り、そこで乗り換えて強羅まで登山電車に乗るわけです。

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車内にある箱根登山鉄道路線図

小田急の車両は狭軌(1067mm)、箱根登山電車は標準軌(1435mm)と異なるので、双方が走行できるように以前は小田原ー箱根湯本間を三線軌条にしていたようです。しかし、現在は上述したようにこの区間狭軌小田急の車両で運行しているので、車庫がある入生田と箱根湯本間だけにそれが残されています。(下の写真)

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入生田駅で待ち合わせしていると上りが狭軌のレールに乗って走ってきた

この電車の終点、箱根湯本駅の手前には、下の写真のように狭軌標準軌が混じった珍しいポイントがあります。鉄道ファンには見逃せない場所です。

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箱根湯本駅に2番線に到着する

箱根湯本駅の強羅よりに3番ホームがあります。そこで待っていると、昨年に導入された3100形の「アレグラ号」が入ってきました。ラッキーです。これに乗って強羅に向います。

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箱根湯本駅 3番ホームに真新しいアレグラ号が入ってきた

箱根湯本を出発して数分で箱根登山電車の代表的な写真として取り上げられる出山鉄橋(早川橋梁)を通過します。あっという間なので、乗っているとよく気を付けていないと分からないほどです。下の写真の右下に下を流れる早川が写っていますが、深さ43m、幅60mの谷なので、そんなことは知らないで通り過ぎた方がいいかも知れません。

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早川橋梁を通過

箱根登山電車の最大の特徴は、80パーミル(1000分の80)という普通の鉄道では考えならないような急勾配を車輪だけでぐんぐん登る電車とスイッチバックで敷設された線路です。

下の写真は、最初のスイッチバックの出山信号所の停止点から撮ったもので、ちょっと前に通過した出山鉄橋がずっと下の方に見えます。ここは標高222mです。

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スイッチバックの一つ出山信号所に停車。下に、登ってきた早川橋梁が見える。

3度スイッチバックを繰り返し、温泉街で名高い宮ノ下に到着します。ここまでくると標高436mあります。

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宮の下

その後、さらに100mほど登って、541mの強羅に到着しました。小田原駅からの標高差527mを50分程度で登り切りました。

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終点強羅についたアレグラ号

乗車中の車内の案内で聞いたのですが、箱根登山電車では、車両の前後に大きな水のタンクを保有していて、水を撒きながら走行するそうです。それはレールの摩耗を防ぐためだというのです。水なんか撒いたら滑らないのかと思うのですが、もう100年近くやっていることなのでそれが一番いい方法なのでしょう。

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車体下に見える水のタンク

登山電車の強羅駅のホームのすぐ横から、箱根登山ケーブルカーが出ています。これに乗って、その先のロープウェイを使うと芦ノ湖の北側に行けますが、昨日はそっちには行きませんでした。

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ケーブルカー 車両は2020年にリニューアルされている

強羅駅は山小屋風です。姉妹鉄道となっているスイスのレーテッシュ鉄道のサンモリッツ駅には箱根登山鉄道から贈られたこのカタカナの駅銘板がかかっているとのこと。
昨日はここから歩いて強羅公園箱根美術館に向いました。

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強羅駅

箱根登山鉄道は2019年の台風19号で線路が流出するという甚大な被害を受けましたが、当初考えられていたより早く、昨年夏には復旧されました。その前には箱根の火山活動で入山規制がされたりという時期もありました。自然との闘いは避けられないでしょうから、関係者には様々なご苦労がありそうです。しかし、そうしたおかげで箱根の大自然に我々が簡単にアクセスできるようになっているのは本当に有難いことです。

6月ごろには線路沿いの咲くあじさいが有名で、あじさい電車として親しまれているのをニュースなどで目にします。その時期にも乗ってみたい気という気になりました。

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