翼にフィルムを貼る作業は模型飛行機づくりの山場でもあり、醍醐味でもあります。
これが終わるとグンと完成が見えてきそうですが、外見上の重要なポイントなので神経を使います。17、8年前に補修レベルでやったことはありますが、機体全部を最初から貼ったことはなく、初めて経験するようなものなので、ちょっと緊張します。
フィルムはホビーショップ・アルファのカバーリングフィルムを使いました。
温度特性についてのデータがないので、実験的に特性を押さえていくしかありません。
シーリング用のアイロンはむかーし米国で買ったもので、バイメタルか何かでOn-Off制御されているようですが、それほど正確に温度コントロールされているわけではなさそうです。
幸い、最近入手した非接触温度計があるので、これでアイロン面温度を測定し、その時のシートの融着、収縮度合いを見ながら進めることにしました。
予備的な実験的で調べた結果、アイロンソックスを被せた状態で110℃くらいで融着し、さらに温度を高めるとフィルムが適度に収縮してたるみがなくるようです。
先ず、垂直尾翼を貼ってみました。片面ずつ貼り、端面ですこし重なるようにします。
形状的に最も平易なので、中心から外にむけでアイロンを滑らせることにより、比較的簡単にできました。いい感じです。
次に水平尾翼です。先ず下面を貼り、その後に上面シートをその端部が下面シートを包み込むように貼り、すこしの重なりを残してカットしました。飛行中の姿勢が分かりやすいように、下面を白、上面を青にしています。
いよいよ主翼です。尾翼と違って表面が湾曲しているし、特に翼端は3次元の形状をしているので、ちょっとしたコツが必要です。これも裏面から貼っていきますが、最初に図の番号の順に外側に軽く引っ張るようにして、スポットでアイロンを当てて留めます。
その後、中心から外にむけて少し強めに引っ張りながらアイロンを押し当てて固定していきます。リブの間の空洞になっているところに多少のたるみがでることがありますが、気にする必要はありません。全体を貼り終わった後に、たるみのあるところにアイロンを数秒固定して置くと、フィルムが収縮し、ピンと張ってきれいになります。
次にもう片方の翼の下面にも貼ります。主翼も下面を白にしました。
翼端はむずかしそうなので、今回は分割して貼ることにしました。
小さなアイロンを使い、真ん中を融着して固定した後、外側に強く引張りながら形に合わせて押さえていくときれいに貼ることができました。そして、重なり部分で上の青いフィルムだけをカットします。
上面には青いフィルムを貼ることにしましたが、これも下面と同じように最初スポットで融着して押さえ、中心から外に押し出すようにアイロンで押さえていきます。
こちらも、空洞部分のたるんだところは、アイロンの温度を少し高めにして、しばらく固定すると、フィルムが収縮してピンと貼ることができました。
主翼の左右の接合部分は形状的には鞍点になるのでフィルムを貼るのが難しいところです。そこでここも接合部だけを分割して貼ることにしました。
テンションをかけながら貼るので、完成した時にねじれた形になることを恐れたのですが、特に問題となるようなこともなく、うまく貼りあがりました。主翼の剛性が十分高くできているのでしょう。
垂直尾翼と水平尾翼は、接着部のフィルムを剥がし、ブロックを使って垂直に保持した状態で低粘土の瞬間接着剤で仮止めし、三角材を使って中粘度の瞬間接着剤で固定しました。
可動翼、主翼のフィルム貼りが終了したので、飛行機の全体のフォルムが大分見えてきました。まだフィルムを貼っていない胴体部に載せるとこんな感じです。
デザイン的にはちょっとダサいですが、まあ製作も含めての練習機ですから、こんなもんでしょう。
次は胴体へのフィルム貼り、可動翼の取り付けとそれをコントロールするためのサーボとのリンクです。