ちょっと前になるが、Bill Gates氏が選んだ「人生で最高の5冊の本」という記事があった。氏は大変な読書家であり、毎年、夏、冬にお薦めの本を紹介してくれるが、今回は通常のものと違って、「人生で最高の」という謳い文句がついてきたのである。
その5冊は上のリンクにある通りだが、シニアのテニスプレーヤーである私としては、そのなかの「インナーゲーム(原題:The Inner Game of Tennis)」(ティモシー・ガルウェイ著)に興味がわいた。
Bill Gates氏はRoger Federer氏と組んでテニスのエキシビションに出場したりしているので、相当のテニス好きだということは知っていたが、多種多様な本に触れ、教養の高い彼が、「人生で最高」とまで持上げる本というならば、どんなものか読んでみたくなった。
Amazonで調べると、1976年に邦訳も出ているようだが、何分古いので、中古品しか手に入らない。しかし、値段が手ごろだったのですぐに注文した。
インナーゲームとは何か? Wikipedia に次のような記述がある。
『勝負において、競技者の外側の世界で実際に行われるアウターゲーム(outer game)に対して、競技者の心中で行われるもうひとつの勝負のこと。テニスコーチのティモシー・ガルウェイが、レッスンを通して考案し、1974年に著作 "The Inner Game of Tennis" の中で発表した考え方。ガルウェイは、心の中のインナーゲームに勝つことが、アウターゲーム(実際の勝負)に勝つための近道であるとしている。』
インナーゲームの目的は、思考に妨害されずに無意識で自動的な運動ができるようになることで、それが望ましい結果を生みだすと考えるのである。禅の世界である。実際、著者はこの本の中で、禅の大家、鈴木大拙の言葉を幾度か引用している。こういった禅の世界をスポーツに導入したことで、この本は世界的にも注目されたようである。
それではインナーゲームに勝つためにどうするか?であるが、上記のWikipediaの記事に要約が書かれているので、ここであえて書くことはしない。Wikipedia の解説を読んで、興味を持った方には一読されるといいだろう。
ただし、この邦訳本、Bill Gates氏の記事で急に脚光を浴びることになったためか、今日見てみると、とんでもない値段になっている。
英語に自信があれば、原書のKindle版なら安く買える。