最近の若い人の名前は読めないことが多いのでなんとかしてくれと常々思っているのですが、改正戸籍法が来年施行されるということで、それに対して一定の歯止めが設けられるようです。
名前は一生その人とともにあるものですから、親はそれを考えたうえで名付けるべきです。常識をもった一般の日本人が読むことができないような名前をつけるのは親の身勝手でしかありません。それは認められないとする制限は必要だと思います。
この問題が議論される時、私にはちょっとひっかかる事があります。
私の名前は「和」という字を含み「かず」と読ませます。それに対して現在疑問に感じている人はほとんどいないでしょう。しかし、漢和辞典で引くと「和」に「かず」という読み、意味は一切ないのです。
kanji.jitenon.jpそれって、きらきらネームの走りだったのではないかという気がするのです。
誰かが勝手にそういうことを言い出し、それがいつのまにか定着してしまったのでしょうが、それは一体いつで、誰だったんでしょう?
日本史に登場する人物で「和」が付いている人物としては思いだされるのは第14代将軍・徳川家茂の正室となった和宮です。それ以前にもいるのかもしれませんが、先ずこの人が思いだされるのです。
色々調べると、この件について疑問に感じている人はいるようで、こんな記事がありました。
それによると、本居宣長(1730-1801)が「人の名に、和(ノ)字を、加受(=カズ)とよむは誤也。」と書いているというので、和宮(1846-1877)以前にもそういう読み方はあったのでしょう。
どうして「かず」と読ませるかということについては、上記の記事にあるように「数」に繋がるのかなあという気がします。
家康から秀吉に仕えた石川数正という武将がいましたが、彼の場合は「和」ではなく「数」です。江戸時代のどこかで、「数」が「和」に変わっていったのでしょうか?
言葉は生きているものですから、現在驚く様な読みでも、それを多くの人が使うようになって定着すれば普通に読れるようになるのでしょう。