The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

万松寺

名古屋の大須に万松寺という寺があります。

 織田信秀織田家菩提寺として開基した寺で、徳川家康が織田の保護下でここで幼少期を過ごしたことや、織田信長が父信秀の葬儀の際に抹香を位牌に投げつけたといった伝説が伝わっている寺です。

私が万松寺を知ることになったのはそうした歴史からではなく、最近将棋の棋戦がよく開催されているからです。それをABEMAの配信で観る機会が多いのですが、他とは少し違った雰囲気のある寺なので、一度訪ねてみたいと思ったのです。

場所は下のGoogle Mapで示したところです。

地下鉄名城線鶴舞線が交差する上前津駅の西に大須の商店街が拡がっていますが、そこはもともと万松寺の寺域だったところが解放されてできた繁華街ということで、中心の通りは万松寺通りと呼ばれています。

第二次大戦の空襲でこの地区一帯は焦土と化したらしいのですが、その復興の中で、寺は商店街の一角のビルとして再建され、下の写真のような形態になっています。いわゆる伝統的なお寺のたたずまいとは異なっています。

お参りする際にお賽銭を上げようとすると、下のような貼り紙があります。

私は以前からこうならないかと思っていたので大歓迎です。旅先で寺社を訪ねるときは、スマートフォンは地図をみたりするので手元にあるのですが、財布となると背中に背負ったリュックの中だったりするので、それを取り出して小銭を用意するとなると手間がかかります。スマートフォンでお賽銭を上げられると楽なのです。寺社側も手数料は差し引かれるでしょうが現金管理の手間やコストがかからないのでメリットは大きいはずです。やっとそれが実現されたお寺に出会えました。

QRコードをスキャンし、PayPayで100円を送ると万松寺に「お気持ち」として送られました。下はその時のスマートフォンスクリーンショットです。

建物にしても賽銭の取り扱いにしても、古い形にとらわれず、新しいものをどんどん取り入れていく革新的なお寺さんのようです。

ところで今年の棋聖戦は6~7月の期間に藤井聡太棋聖と杉本和陽六段の間で戦われますが、その第5局がこの万松寺で開催される予定です。そのポスターが貼ってありました。

棋聖戦は藤井七冠が2020年に17歳で最初に取ったタイトルで、連続5期タイトルを保持して永世棋聖の資格も有している相性のいい棋戦であり、藤井七冠の優位は動かないところです。5番勝負で3勝先勝で決まるので、万松寺で予定されている第5戦は開催されない可能性が高い気もします。