The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

杜甫の詩

古稀というのは数え歳の70歳のことで、数え年は元日で一斉に加齢するので、本来の定義に従えば、1953年生まれは今年の元日に古稀を迎えたことになります。(最近では満年齢でいうことも多いので、あまり厳密に考える必要はありませんが。)
私はそれにあたるのですが、最近69歳の誕生日を迎えたことからこの『古稀』という語を思い出し、その語源を確認してみました。

これは、中国・唐の詩人である杜甫の詩『曲江』に由来するということです。
こういう七言律詩です。

曲江 

朝回日日典春衣
毎日江頭尽酔帰
酒債尋常行処有
人生七十古来稀
穿花蛺蝶深深見
点水蜻點款款飛
伝語風光共流転
暫時相賞莫相違


この詩は初めて知りました。解説しているサイトが多くありますが、以下のサイトが朗読もあり参考になります。

 人生50年といわれていた昔、その50歳に近づいた杜甫が少し自棄(やけ)になった感じで読んだ詩のようでもあります。
杜甫が生きた8世紀では、70歳といえば今の100歳くらいに当たったのかもしれません。

その当時と比較すると21世紀は格段に栄養状態がよくなって寿命も延びているので70歳の意味は全然違います。
しかし、そうは言っても70歳が老いの入り口にいるのは間違いがないでしょう。
70代が人生における「最後の活動期」であるなら、それを大いに楽しみたいものです。