先月亡くなった母の納骨を行うにあたり、墓の墓誌への彫刻をお願いした。
墓誌が記録されている花崗岩の板にどうやって彫刻するのか石屋さんに尋ねると現地でサンドブラストという方法で加工するという。
あの硬い花崗岩を彫るとなると一日仕事になるのかと想像したが、意外にも一時間程度で完成するという。
上のWikipediaにも書いてあるが、墓石の文字入れは、コンピュータでデザインした文字をゴムシートに書き、その文字部分をカッターで切り抜いて石に張り付け、そこに砂状の研削材を高圧で吹き付けて文字を彫るらしい。どういうものか興味があるので、工事のスケジュールを聞いて見学させてもらうことにした。
墓苑からは富士山がみえる。冬のこの時期は冠雪した姿が美しいが、今年は晴れの日が多く、これまでのところ雪が少なめである。
予定の9時に着くと、職人さんが一人で作業に取り掛かられていて、すでに文字用のゴムシートが貼り付けられ、作業用の保護シートで周辺を覆って準備をされていた。
準備が完了するといよいよ研削だ。研削材の砂は写真のようなものである。
コンプレッサーを起動し、圧縮空気を送るホースを研削材をいれたタンクをにつなぎ、そこからノズルで研削材を吹き付けて加工していく。
実際に彫る作業は10分くらいだっただろうか。深さ2㎜くらいがあっという間に彫りあがった。
その後彫った文字部分にスプレーを吹き付け白く着色して完成である。
短時間できれいに仕上げる技術は見事なものである。職人さんの仕事は素晴らしい。
とても素人が手を出せる仕事ではない。
「餅は餅屋」ならぬ「石は石屋」である。
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