The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

An evening with Dan Brown(過去のFacebookノートから)

以下は2018/5/30にFacebookのノートに書いたものですが、Facebook上のその機能が停止されてしまったので、アクセス不能になる前に、ここに転記して保存することにします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昨晩(2018/5/29)、Dan Brown氏の新作『オリジン』の刊行記念として企画された講演会(@時事通信ホール)に参加することができた。
Brown氏の講演のあと池上彰氏との対談、質疑応答という流れで進められたが、個々の作品のネタバレにならないように気をつけながら、ユーモアたっぷりにいろんなエピソードも織り交ぜながらの話は面白く、氏の気さくな人柄にも触れることができた楽しい2時間だった。

f:id:tfitv:20210531141756p:plain

フォトセッションとして撮影を許可された

私としても通常なかなかできない体験だったので印象に残ったことをノートに書き留めておく。

【講演】
敬虔なクリスチャンの母と数学者の父の家庭に育ったという。母親の車のプレートは”KYRIE"、父親の車のプレートは”METRIC"だったと言いながら、それを見せてくれることから話が始まった。そうした家庭環境で育ったことが彼にRobert Langdonシリーズで多く語られるような科学と宗教(スピリチュアルな世界)がどう向き合うかという問題意識を持たせているようである。

作品の中でも感じられるが、アメリカの社会の一部にあるような非科学的価値観を持った宗教的思想には批判的だ。一方、日本では歴史的に精神的なものと科学が対峙することがなかったと言い、仏教が持つ宇宙観、仏教と自然の親和性には関心を持っているという。
人類の過去の歴史と比較して、我々の生きている時代は科学技術の進歩がとんでもなく速くなっていて、倫理や規範がそれに追いつくのが難しくなりがちだが、それを助ける役割がスピリチュアルな世界にあるだろう。(と言っていたと思う。)
そして最後に、本はそうした人間をつなぐものである、と作家らしい言葉で締めた。

【対談・質疑応答】
Langdon教授はこれまで欧米で活躍しているが、将来日本に来ることはあるか?という質問には、興味はあるが日本の価値観をもっと勉強しなければと言っていた。スーパースターのLangdon教授でも専門が違いすぎるので難しいだろうし、無理にそんな話を作る必要もないと思う。

これまで権威に対する大胆な設定のストーリーをいくつも書いてきているが、それに対して抗議を受けたことはないか?ということに対しては、一人だけ怒った人物がいたということだ。誰だろう?

もちろんシンギュラリティについても話題が出た。自身は未来学者ではないとしながらも、それは当然起こることだと考えていてそれに対しては楽観視していると言う。人類はそれを使いこなすだけの叡智があるという立場だ。それに関しては自分も全く同意見だ。

好きな本、おすすめの本は?という質問に答えて以下の4つを挙げてくれた。
  A Wrinkle In Time というファンタジー
  Bible
  Shakespeareの作品
  Life 3.0 
このうち、”Life 3.0”は昨年8月出版されてベストセラーになっているようだ。

邦訳はまだないようだが、間違いなく出版されるだろう。