竜王戦の第四局が金曜、土曜にありました。二日間の対局では二日目の午後まで形勢が素人には分かりにくいですが、夕方近くになって終盤になってくると観ていても面白くなります。
土曜日の午後、出かける用事があったのですが、家に戻ってくると、先手の豊島竜王優勢で、しかも持ち時間に圧倒的な差がありました。藤井三冠には9分しかありません。今回は豊島竜王が勝利して盛り返すだろうという見方が支配的になってきていたので、別のことをしながら、ABEMAの配信だけを表示していました。すると、どうでしょう。109手目で大きな変化があり、形勢が藤井三冠優位に傾き、そのまま一気に寄り切ってしまったのです。
どういう理由で急にそういう展開になったのか素人には理解できなかったので、一夜明けた今日、もう一度ABEMAプレミアムの画像で振り返ってみることにしました。
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104手が指された段階で、持ち時間、AIの示す数値は以下のようでした。
豊島竜王優位ですが、次の手まで竜王は100分近い長考。そして105手目に☗4三桂成と王手をかけます。
その後、108手目で⛉5五角と進めますが、この時点でも依然☗優勢。
そして次の109手目、☗3五桂と打ったところで一気にAIが示す評価値が逆転してしまいました。AIは5五銀と角をとることを最善と判断していたようです。ここがポイントで、敗着だったのでしょうか。
この後、⛉が王手をかけ続け、122手で☗が投了となりました
こうして振り返ると、なるほどそういうことかと素人は改めて感心させられます。劇的な終盤で、ものすごいドラマを見せつけられました。
トップ棋士の知力の限りを尽くした戦いを見せてもらえる「観る将」は自分自身で指すことはしないおじいさんにとっても面白い世界です。