The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

Nick Kyrgios

Nick Kyrgiosの試合は見ていて面白い。強力なサーブと抜群のテニスのセンスから繰り出されるトリッキーなプレーが見る者を楽しませてくれる。

粗暴なふるまいや暴言で「悪童」と評されることが多いプレーヤーでむら気があるのが難点で、冷静に粘り強くプレーすれば、もっといい結果が得られるのにといつも感じさせられる。まあ、そうしないところが彼の個性であり、持ち味ではあるが・・・
そうした半面、慈善活動や環境保護に熱心なところをみせたりもするので、根は男気にあふれたいい青年なんだろう。

そんな彼のWimbledonの1回戦は地元のイギリス人選手相手に完全アウェーの状態だったので途中で切れないかと思われたが、我慢強く戦い、フルセットの末に最後は実力差で勝ち切った。
試合後の会見に寿司を持ち込んで、それを食べながら応じるという様子が報じられていたが、こういうのが良くも悪くも彼らしい。無礼だと非難する向きもあるが、5セットを戦えば腹も減っているだろうし、そこに持ち込んだのが寿司ということなると、日本人としてはなんとなく、「よく頑張ったな、お疲れさん」と声をかけたくなる。

 昨日の2回戦は、シードのクライノビッチ相手に冷静な試合運びで3-0で勝利した。
スタッツを見ても、完勝だったのが分かる。

Kyrgiosはバスケットボールの熱心な愛好者で、下の写真でもわかるように、両腕の前腕部はバスケットに関連したタトゥーがびっしり彫られている。昔はそこまでなかったと思うが、最近は前腕全体に彫られているので、ちょっとやり過ぎじゃないの、と気になるところでもある。

更に、昨日気が付いたのは、下のような左の脛の外側で、TVカメラも時々それを捉えていた。

”Give a man a mask and he will become his true self”と彫られている。
彫られた部位からすると、自分で見て読んで、自身を鼓舞するためのものではなさそうで、他者に対するメッセージのようである。

誰かの言葉?と思って検索すると、いくつか関連のサイトがあるが、トップにはこういうアノニマスの絵がついた記事があった。

それを読むと、どうやらOscar Wildの言葉に  “Man is least himself when he talks in his own person. Give him a mask, and he will tell you the truth.” というのがあって、その後半の部分が変化したもののようである。
直訳すると「仮面を与えると真の彼自身になる」というような意味になるのだろうが、何を言わんとしているのだろう? 匿名で彼を攻撃してくる連中に対して本性が見えるぞと言っているのだろうか?

それはともかく、今大会はいつもと違う様子で、何かやってくれそうな雰囲気がある。3回戦の対戦相手は第4シードのTsitsipasである。両者とも私の好きな選手なので、見逃せない試合になりそうである。