正月のテレビ朝日の「博士ちゃん」という番組に葛飾北斎についてメチャクチャ詳しい少年が登場したので感心して見ていました。
その中で、その子が日本の浮世絵が印象派の画家たちに多大な影響を与えたことを話しているのを聞いて、背景に浮世絵が描かれているゴッホの自画像のことが頭に浮かび、それを題材にした小説を思い出しました。
Jeffrey ArcherのFalse Impressionです。その小説はとても面白かったので、読後にFacebookに書いた記憶があります。検索して見ると2011年の3月7日で東日本大震災の数日前のことでした。話の中で主人公の女性が日本の美術収集家の富豪に会いに行く展開があり、その彼女を追う尾行者も東京に現れるというようなサスペンスが印象に残っているのですが、細かいストーリーはすっかり忘れていました。
本棚にあったその本を見つけてパラパラめくるとまた読んでみたくなって、それ以来每日少しずつ読んでいるですが、あれっ、こんな話だったかと驚くばかりです。
私はペーパーバックを読むときには、人物が初めて登場すると青の蛍光マーカーで印をつけ、場所については緑の蛍光マーカーで印をつけるのを常にしているのですが、この本には、最後の方までそれらの印が付いているので、読み通したことは間違いないのでしょう。しかし、12,3年も経つと驚くほど忘れているのです。まるで初めて読む本のようです。それにはすこし唖然としてしまいました。
こんな風に初めて読む本のように楽しめるのであれば、新しい本を買う必要はないのかもしれません。それほど多読の読書家ではなく、たまに気分転換に本を読むくらいのおじいさんは、面白かったという記憶のある本をときどき引っ張り出して読めば十分じゃないかという気すらしてきました。
しかし、それも後ろ向きで寂しい話ですね。世の中の経済活動に全く貢献できていません。(笑)
私の好きな作家で、その著作をすべて原作で読んできているDan Brownの次の作品が出版されれば間違いなく購入して読むでしょうから、要はどうしても読みたいという本があるか?ということなのでしょう。
話が発散してきましたが、今読み直しているFalse Impressionでは、主人公の美術コンサルタントAnna Petrescuが東京に到着し、それを追うFBIの捜査官Jack Delaneyと女殺し屋Olga Krantzがともに東京についたところで俄然面白くなってきました。