The Fool In The Valleyの雑記帳

-- 好奇心いっぱいのおじいちゃんが綴るよしなし事 --

木製の洗濯バサミ

60年以上前の昭和30年代の洗濯バサミはこんな木製のものでした。

その後洗濯バサミはアルミ製になり、更にはプラスチック製が主流になって、木製を見ることはなくなっていました。

私が木製の洗濯バサミに久しぶりにお目にかかったのは意外なところでした。20年くらい前のアメリカで、ラジコン飛行機の飛行場でした。

当時ラジコンの送受信機はFM方式で72MHz帯の72.01~72.99を20kHz毎の11Ch~60Chの50Ch(チャンネル)に分けていました。例えば51Chであれば、72.810MHzなので、送信機、受信機ともに72.810MH用の水晶振動子をセットして使うのです。

その方式では同一周波数が重複して使われると混信して制御できなくなり事故につながります。そこで飛行場ではそのときすでに使われているチャンネルが分かるようにしておく必要があります。そのために下の写真のように木製の洗濯バサミを使って自分の使っているチャンネルを知らせるようにしていたのです。

飛行場にはチャンネルの番号を書いた木製の洗濯ばさみが用意されていましたが、自分の名前を書いたオリジナルのマイ洗濯ばさみを持ってきて使っている人もいました。51Chを使っていた私もそうしていました。

それから20年以上経って一昨年ラジコンを再開しようとして驚きました。送受信機は2.4GHzの周波数ホッピング方式に置き換わっていたのです。
その新しい通信方式では事前にカップリングされた送信機と受信機の間でのみ通信できるので、混信防止のために周波数帯を分割する必要はありません。もう木製の洗濯バサミを使って使用中の周波数表示をする必要はなくなったのです。

 

洗濯ばさみは20個くらいがセットになって売られていたので、沢山手元に残っていたのですが、その木製の洗濯ばさみに新たな活躍の場所があることを私は最近見つけました。それは次のようなことです。
バルサやべニア材を組み合わせて作るとき、力がかかる部分の接着にはエポキシ系の接着剤を使いますが、その場合には接着剤が硬化するまで固定しておく必要があります。固定のためにピンが使えないときにはこの木製の洗濯ばさみの挟む強さ、形状、材質が実に都合がいいのです。例えば主翼の左右の接合部はこんな感じで固定しておくことができるのです。

この洗濯ばさみのおかげで左右の主翼を設計図で指示された上反角を付けてしっかりと接着することができました。

最近の硬いプラスチックの強力な洗濯ばさみと比べて木製の洗濯ばさみは断然使い心地が良いので手放せなくなりました。