WBC(World Baseball Classic)が開催され、日本チームが1次リーグを全勝で突破し準々決勝に進んだので盛り上がっている。最近はプロ野球を観ることは殆んどないのだが、今回は話題性のある選手が集り、期待できそうなので、私も1次リーグの4試合はすべてTVで見ている。
そのTV放送のなかで、実況のアナウンサーが「勝利の方程式」という言葉を幾度となく発していたが、どうもこの言葉には以前から違和感がある。
必勝の継投パターンのことをそう呼んでいるのだが、方程式というのは本来未知数を含む等式のことなので、決まった手順のことを方程式と呼ぶのが引っ掛かるのである。
しかし、そもそも方程式の「方程」とはどういう意味なんだろう? これに未知数を含む等式というような意味はあるんだろうか?
その由来を調べたら、国立国会図書館のサイトにこういう説明があった。
方程とは中国語で計算盤上に方(ほう)(四角)に程(わりあて)るとの意味で、一次方程式を解くためのある計算技術のことをそう呼んだらしい。その方程という言葉を使って、中国の「英華字典」(1866~69)でEquation の訳語として「方程式」という言葉が用いられたという。それがその後日本でも取り入れられたらしい。
元々の意味がどうれであれ、それを使って作られた造語に新たな意味を持たせている訳である。そう考えると、決まった継投パターンに「勝利の方程式」という言葉を当てたのも同じように新たな概念を意味する造語だとして受け入れればいいかという気になってきた。
この「勝利の方程式」、昔、読売ジャイアンツの長嶋監督がそれを言い始めたんじゃないかと思って調べると、確かにそのようである。
もうWikipediaにまで載っているんだから、これはケチをつけることができない確立された複合語なんだろう。
何はともあれ、日本代表には「勝利の方程式」で優勝目指して勝ち進んで欲しい。