源頼朝が挙兵後の最初の石橋山の戦いで敗れ、敗走する途中に山中の洞穴に隠れ、それを敵方にいた梶原景時が気が付いたけども見逃したという逸話は有名ですが、NHKの「鎌倉殿の13人」の番組最後の紀行でその「しとどの窟」と呼ばれる場所を紹介していたので興味があって行ってみました。
場所は、箱根の大観山展望台から湯河原に下りる椿ラインと呼ばれる県道75号の途中にあります。
大観山展望台からは眼下に芦ノ湖、正面に富士山が見えるのですが、この日は富士山は雲の中。
そこから75号線を湯河原に向います
椿台には駐車スペースがあり、そこに車を停めて「しとどの窟」まで歩くことになります。
徒歩で20分という案内があります。
少し歩くと城山隧道という100mほどのトンネルがあります。
それを抜けるとゲートが閉まっているのですが、その横に「しとどの窟」に降りていく道があります。
しとどの窟まで400mと書いてあって、そこからは急な下り坂になっていますが、ここまで来たら行くしかありません。こんな坂道が続きます。
途中、ところどころに案内があります。確かにこれがないと、やめて引き返そうと思う人が沢山出るかもしれないほどの急坂です。
この案内板のところから逆に少し登りになります。
この階段を登りきると目の前に窟(いわや)が現れます。
10人以上が楽に入れそうな広い横穴です。頼朝がここに隠れたというのは、史実だろうと思わせる場所です。
今でこそ、そこまでの道が作られ、窟の前は開けていますが、斜面の中ほどにあるし、当時は樹木に覆われて、見つかりにくい所であったに相違ありません。
史跡としてこういう説明がされています。
ジオパークの説明もあります。
急な坂を登ってもと来た椿台に戻ると、そこからは近くに海が見えます。南南東の方向に見える小さな島は初島でその向こうにあるのは地図で確認すると伊豆大島のようです。頼朝は5日ほどこの付近の山中に潜み、ここから少し北にある真鶴の浜から船で房総半島に渡ったということです。
800年以上前の出来事がいろいろと想像される非常に興味深い場所です。