今回のオリンピックでは、ロシアは組織的なドーピング問題の処分で国としての参加が認めらておらず、問題に関与していないロシアの選手は「ロシア・オリンピック委員会(ROC)」所属として個人資格で参加している。
表彰式には国旗が掲揚され、国歌が演奏されるのが常なので、ROCの選手が優勝した場合、どういう雰囲気のものになるのだろうと気になっていた。
昨晩、NHKのWeb上の特設サイトを見ていたら、テニスの混合ダブルスでロシアのペアが1,2位になり、ちょうど表彰式が始まるところだったので、その様子を見ることができた。テニスファンの私にとっては、顔なじみの選手ばかりなので、他の競技以上に興味を持ってその様子を見始めた。
メダル授与が終わり、国旗の掲揚と国家の演奏の段になると、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の冒頭をアレンジした曲が流され、ROCのエンブレム旗が掲揚された。
チャイコフスキーの曲は名曲だが、それを切り出して国歌の代わりとして使うにはどだい無理がある。最初は、全員旗の方を見ていたが、1,2位のロシアのペアは所在無げにしていて、なんだか白けた雰囲気になってきた。
曲がなかなか終わらず続くうちに、ルブレフは旗や流れる曲は無視して、もらったブーケで遊び始めた。パブリュチェンコワもそれが気になってよそ見をしている。
普通であれば、表彰式でこんな態度を取れば、国旗、国歌に対する非礼として、糾弾されそうな態度であるが、選手にしてみれば、自分たちに非はないのにこういう扱いを受けることに対するやり場のない抗議の気持ちがあったのかもしれない。それにしても表彰式が白けたものになり、見ている方も苦笑されられた。
ただこの表彰式が終わったあと、チーム(選手、コーチ、スタッフ)が集って、にこやかに祝福しあう様子が映し出されたので、見ている方もほっとさせられ、選手たちを祝福したい気持ちになったことを最後に記しておく。
ロシア・チーム